「ミッキー7 反物質ブルース」(E.アシュトン)を読了。Kindle版。

ミッキー7の続編で、前作でミッキーが使い捨て人間を引退したところから。

楽しめたけれど、1作目ほどの面白さはなかったかな。せっかくのエクスペンダブル(使い捨て人間)を封印してしまったので、それにまつわるいろいろが思い出話でしか出 てこなくなったのが残念。

これだと単に自分の賭博が原因で借金を背負って逃げ出すような無能な主人公が、成り行きでリーダー的立場になって成長する、みたいな平凡なストーリーになってしまう。 エンタメとしてはそれでも良いのかもしれないけれど。

植民星にコロニーを立ち上げようとするときに、エネルギーが反物質発電だけというのもちょっとどうなんだろう。いずれ自分たちで反物質を作り出す必要がある(備蓄には 限りがある)けれど、反物質のエネルギーを使って反物質を作るんだろうか?エネルギー保存則的に考えて、元の反物質より多くの反物質は作れないのでは(作れるなら本作 のお話が成立しない)。反物質を作るには、非効率だけど他のエネルギー源を使う必要があるはずで、その準備は当然してきているんじゃないかと思うけど。

ミッキー7 反物質ブルース (ハヤカワ文庫SF) Kindle版